Item

アンティーク(推定19世紀前期) グエルチーノ画カメオ”ペルシアのシビュラ”

アンティーク(推定19世紀前期) グエルチーノ画カメオ”ペルシアのシビュラ”
縦:約74mm(カメオ人物部分58mm)
横:約65mm(カメオ人物部分43mm)
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ-

海外からの買い付けの過程で見つけた訳あり品、今回のお品物はアンティークにおいて数少ない絵画カメオのモチーフのひとつとしてよく見られるグエルチーノ作、ペルシアのシビュラを描いた絶品カメオです。

通常、当ギャラリーではカメオの品質と状態の良さを最優先事項として買い付けしており、状態の良くないカメオは取り扱わないことをモットーとしておりますが、状態については例外的に品質の高さと貴重さを理由に取り扱うことが稀にございます。
今回のお品物はそんな訳あり品のご紹介です。

現在頻繁にみられる絵画カメオは20世紀中頃、巨匠ジョヴァンニ・ノトがブーシェの絵画をカメオのモチーフとして彫り始めたことから一般的となり、それ以前の時代ではかなり限られた絵画がごく少数扱われるのみでした。
よく知られるグイド・レーニの”アウローラ”を筆頭に、同じくレーニの”サタンを打ち倒す大天使ミカエル”や、ラファエロ・サンティの”子椅子の聖母”に”聖母子と幼ヨハネ”、レンブラント・ファン・レインの”キリスト降架”などなど、その多くは宗教画をモチーフとしたもので、モダンカメオにおける絵画カメオのように美術性を追求したものというより信仰の面が強かったようです。
そんな中で美観を追求して好まれたと思われる珍しいものの一つが本作のモチーフともなっているシビュラ。
アポロンの巫女であり、立ち位置としてはディオニュソスの巫女であるバッカンテと近い存在と言えますが、プロフィールで描かれるバッカンテと異なりグエルチーノの絵画”ペルシアのシビュラ”をモチーフとしたものがカメオでは好まれていたようです。
今回ご紹介する作品は、そのペルシアのシビュラを描いたアンティークのカメオの中でも特に出来の良い逸品で、彫りのレベルは文句なしにミュージアムクオリティに達します。
端正な顔つきに極めて写実的な手、元の絵画の布の流れを踏襲しながらもさらに細かく彫りこまれた服のしわや歪み、どれをとっても超一流の彫りといってなんら差し支えありません。
彫りも高く立体的で、多少像に貝の淡褐色が乗っておりますが、色を絶対視せず彫刻性を重視した姿勢は、当時最高の彫刻師のひとりであったサウリーニの作にも頻繁に見られるように、モダンカメオにはないアンティークカメオ特有の視点によるものといえましょう。
もちろんいたずらに色を無視するのではなく、それをなして意味があるだけの彫刻であることが重要でありますが、その点本作のシビュラは間違いなく彫刻として最高の仕上がりを見せております。

フレームは欧州では珍しいK18ゴールド(買い付け元でテスト済み)。
品位からわかるようにフランスのアンティークフレームで、肉眼では細部を観ることも叶わないほどに繊細なカンティーユ・フィリグリー細工で飾られた極めて価値の高い金細工です。
状態は完璧とは言えないもののかなりよく残っている方で、全体のシルエットでみると欠損を感じさせないレベルで原型を保っております。
裏面の写真を見て分かるように裏面6時半位置に破れがあるのがもっとも大きな破損で、それ以外はクラスプが風車型に付け替えられていることと、わずかな金線や金粒の欠けが3、4か所あるくらいのものです。

さて、ここまでは本作の”訳あり”以外の部分。
ここからは訳についてのご説明をさせていただきます。

写真を見てすでにお分かりの方もいると思いますが、本作はカメオが背景と人物で一体ではありません。
シビュラが切り抜きカメオであり、別のサードニクスシェルの素地に接着剤で固定されております。
シビュラのほうもサードニクスシェルであり間違いなく超一流の職人による彫刻で、切り抜かれてなお大きさは縦58mmと、50mm(2インチ)を超えることは稀なアンティークにおいてかなりの大判であり、この部分だけをもってしてもプラスチックやガラスといった成型品や全くの半端物のダブレットなどとは比べ物にならない価値があるのですが、やはりカメオとしては致命的な欠点を抱えた一品なのです。
ダブレットならばダブレットで、宝飾品ないし美術品としてふさわしい処置がなされた工芸的価値のある仕事であればまだしも、接着の仕方も粗雑であり、素人の応急処置的な接着である点も大きなマイナスです。
このように彫刻も金細工も当時超一流の職人の手による仕事であり最高の品質でありながら、カメオの前提にかかわる問題があるのが本作の訳ありたる所以です。

価格に関しましては非常に迷いどころでしたが、シビュラの切り抜きカメオが接着されていない状態でルースであった場合の時価といたしました。
接着されてしまっている分についてはフィリグリー・カンティーユの金細工枠で相殺という形としておりますが、価値でいえば金細工枠の価値で十二分にお釣りがくる(年代的価値や稀少性を度外視して現代のフレーム加工費と比べただけでも、これだけでも10万以下の価値しか無いということはまずありえないでしょう)とは思っています。
ただ、やはりカメオとして致命的な欠点を持っている以上、そして当ギャラリーがカメオギャラリーである以上はこの欠点を重く見て今回の価格とさせていただきました。
ちなみに、仮に本作が一体であったなら、想定される時価は50万円以上、ダブレットであっても鑑賞上問題になりにくい処置が施されていたものであれば20万以上となります。
¥150,000 SOLD OUT
再入荷通知を希望する

再入荷のお知らせを希望する

年齢確認

再入荷されましたら、登録したメールアドレス宛にお知らせします。

メールアドレス

折返しのメールが受信できるように、ドメイン指定受信で「thebase.in」と「yahoo.co.jp」を許可するように設定してください。

再入荷のお知らせを希望する

再入荷のお知らせを受け付けました。

ご記入いただいたメールアドレス宛に確認メールをお送りしておりますので、ご確認ください。
メールが届いていない場合は、迷惑メールフォルダをご確認ください。
通知受信時に、メールサーバー容量がオーバーしているなどの理由で受信できない場合がございます。ご確認ください。

折返しのメールが受信できるように、ドメイン指定受信で「thebase.in」と「yahoo.co.jp」を許可するように設定してください。

※こちらの価格には消費税が含まれています。

※別途送料がかかります。送料を確認する

送料・配送方法について

この商品の送料・配送方法は下記のとおりです。

  • ゆうパック

    日本郵便が提供する宅配サービスです。荷物追跡に対応しています。

    全国一律 ¥0

この商品の送料・配送方法は下記のとおりです。

  • EMS

    荷物追跡や損害賠償制度に対応している定番の配送方法です。

    海外一律 ¥2,000

※この商品は海外配送できる商品です。

通報する

関連商品

  • アンティーク(推定19世紀前半以前) コルネリアン三層 ”ルネサンスの紳士” アンティーク(推定19世紀前半以前) コルネリアン三層 ”ルネサンスの紳士” ¥240,000
  • アンティーク(推定19世紀中期) ”ヤギとプット” アンティーク(推定19世紀中期) ”ヤギとプット” ¥230,000
  • アンティーク(推定19世紀末) ”果実の女神ポモナ” アンティーク(推定19世紀末) ”果実の女神ポモナ” ¥420,000