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エンツォ・チリッロ作 ”神の双子たち”
縦:約80mm
横:約60mm
作者:エンツォ・チリッロ
QR:アーティスティッククオリティ+
古株の名匠エンツォ・チリッロ作の大判カメオの入荷です。
チリッロ氏は1940年生まれの古株で、アンティーク風のモチーフを得意とする名匠です。
作風は幅広く、甲冑に身を包んだ神話の人物像だけでなく風景図も得意とし、人物に置いても通常のプロフィール(横顔)だけでなくトルコ石では正面図の作品を数多く残しているという、カメオ職人の中でもとりわけ器用な作者と言えます。
彫り方には特徴があり、線を太くとって厚みを作るときには山を彫るというより段を彫るといった感じの造りをし、柔らかさに欠けるものの逆にメリハリは他の作者たちと一線を画すものがあります。
顔つきも特徴的な力強さがあり、繊細な女性像にはやや向かない作風ながらも、逆に神話に関連するような人物の描写にかけては威厳のある素晴らしい雰囲気を持たせることに成功しております。
総じてほかの作者にはない独特の雰囲気をもち成功した一流の作者のひとりであり、それゆえに好みは分かれますが、替えの効かない作品たちだからこそ、その愛好家たちには高く支持されている作者です。
本作はチリッロ氏作の大判、モチーフは得意とするギリシャ神話より、双子の神アポローンとアルテミスです。
一般的な規格の70mmを超える80mmの大画面いっぱいに描かれるのは、アルテミスに弓を教えるようなアポローン。
ぎこちないしぐさで弓を引くアルテミスと、その隣に立つアポローンの片手はアルテミスの肩にかけられ、もう片方の手はアルテミスの弓を支えるように添えられており、神話の中でも弓の名手として名高い二人の神の若い姿を描いた稀有なデザインは、どことなく18世紀の画家ラグルネの描いた、ケイローンに弓を教わるアキレウスの絵画を思わせる構図です。
足元には猟犬や天使たち、それに鳩なども描かれ、ただの狩りというよりも神性を強く感じさせる独特な空気を持っております。
これだけの数のモチーフを一つの画面に収めながらも一つ一つがはっきりして埋もれを感じさせないのは、さすが彫りの力強さに定評のあるチリッロ氏といったところでしょう。
先述の通り、厚みの差は山状というより段状に彫るのがチリッロ氏の特徴であり、正面から光を当てて見れば平面的な印象があるものの、その分浅い角度で光を当てればほかの作者の作品には無いくっきりとした像が現れ、熟練の彫刻家の技を存分に楽しませてくれる逸品です。
貝はコーヒー色の地にしっかりした白色の良質なものを使用。
大きな貝だけに完全に無傷とはいかず、褐色面のヘアラインや裏面5時位置に接触痕(金枠には傷が無いため、制作時に付いたものとみられる)があるものの、そのほぼ全域が白色層の下にあり、光に透かして見ても視認するのは難しいほどのものです。
表はといえば弓の弦や矢といった繊細な部分や、周囲にめぐらされたグレインなどにも欠けもなく、総じて非常に良い状態といえます。
フレームは日本製K18フレーム。
通常のものより板の厚い金を用いた高級品で、金細工師による手作りであり作者名の位置を切り欠くなど作品に対する配慮も見られる良質な枠です。
ピンやそれの乗ったブリッジにも歪みなく、こちらも非常にきれいな状態です。
横:約60mm
作者:エンツォ・チリッロ
QR:アーティスティッククオリティ+
古株の名匠エンツォ・チリッロ作の大判カメオの入荷です。
チリッロ氏は1940年生まれの古株で、アンティーク風のモチーフを得意とする名匠です。
作風は幅広く、甲冑に身を包んだ神話の人物像だけでなく風景図も得意とし、人物に置いても通常のプロフィール(横顔)だけでなくトルコ石では正面図の作品を数多く残しているという、カメオ職人の中でもとりわけ器用な作者と言えます。
彫り方には特徴があり、線を太くとって厚みを作るときには山を彫るというより段を彫るといった感じの造りをし、柔らかさに欠けるものの逆にメリハリは他の作者たちと一線を画すものがあります。
顔つきも特徴的な力強さがあり、繊細な女性像にはやや向かない作風ながらも、逆に神話に関連するような人物の描写にかけては威厳のある素晴らしい雰囲気を持たせることに成功しております。
総じてほかの作者にはない独特の雰囲気をもち成功した一流の作者のひとりであり、それゆえに好みは分かれますが、替えの効かない作品たちだからこそ、その愛好家たちには高く支持されている作者です。
本作はチリッロ氏作の大判、モチーフは得意とするギリシャ神話より、双子の神アポローンとアルテミスです。
一般的な規格の70mmを超える80mmの大画面いっぱいに描かれるのは、アルテミスに弓を教えるようなアポローン。
ぎこちないしぐさで弓を引くアルテミスと、その隣に立つアポローンの片手はアルテミスの肩にかけられ、もう片方の手はアルテミスの弓を支えるように添えられており、神話の中でも弓の名手として名高い二人の神の若い姿を描いた稀有なデザインは、どことなく18世紀の画家ラグルネの描いた、ケイローンに弓を教わるアキレウスの絵画を思わせる構図です。
足元には猟犬や天使たち、それに鳩なども描かれ、ただの狩りというよりも神性を強く感じさせる独特な空気を持っております。
これだけの数のモチーフを一つの画面に収めながらも一つ一つがはっきりして埋もれを感じさせないのは、さすが彫りの力強さに定評のあるチリッロ氏といったところでしょう。
先述の通り、厚みの差は山状というより段状に彫るのがチリッロ氏の特徴であり、正面から光を当てて見れば平面的な印象があるものの、その分浅い角度で光を当てればほかの作者の作品には無いくっきりとした像が現れ、熟練の彫刻家の技を存分に楽しませてくれる逸品です。
貝はコーヒー色の地にしっかりした白色の良質なものを使用。
大きな貝だけに完全に無傷とはいかず、褐色面のヘアラインや裏面5時位置に接触痕(金枠には傷が無いため、制作時に付いたものとみられる)があるものの、そのほぼ全域が白色層の下にあり、光に透かして見ても視認するのは難しいほどのものです。
表はといえば弓の弦や矢といった繊細な部分や、周囲にめぐらされたグレインなどにも欠けもなく、総じて非常に良い状態といえます。
フレームは日本製K18フレーム。
通常のものより板の厚い金を用いた高級品で、金細工師による手作りであり作者名の位置を切り欠くなど作品に対する配慮も見られる良質な枠です。
ピンやそれの乗ったブリッジにも歪みなく、こちらも非常にきれいな状態です。