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トマゾ・サウリーニ作 古今最高の作者の品 ”老紳士の胸像”
縦:約37mm
横:約29mm
作者:トマーゾ・サウリーニ
QR:ミュージアムクオリティ
ついに当ギャラリーにも入荷しました、19世紀最高のシェルカメオの巨匠トマゾ・サウリーニ作のカメオです。
アンティークシェルカメオのコレクターにはあまりにも有名なサウリーニ親子。
トマゾ・サウリーニは親子の父の方にあたります。
ただでさえレベルの高い19世紀中のカメオ彫刻家の中でこの親子は最も高い評価を得ており、当時の絶頂期の大英帝国王室へカメオを多く献品した記録が残っており、いまも大英博物館にて展示された作品を見ることができます。
父のトマゾは1793-1864、子のルイジは1819-1883の人生であり、サウリーニ親子と似た経歴を持つ巨匠ジョヴァンニ・ノト(1902-1985)より100年古いだけあって、その現存品も貴重なノト作のハイクオリティピース以上に数が少なく、また残っているものも当時の貴族・富豪たちの実用に供されたと思われ、表面の摩耗や亀裂の目立つものが大半で、状態のいいものは滅多に見つかりません。
無論現在においてもその評価は極めて高く、状態のいいものは非常な高値で取引され、またこの200年のうち名前の知られているシェルカメオ作者で芸術性・ブランド力・技術力でランクをつけるならば、上位にサウリーニ親子、ジョヴァンニ・ノト、(サウリーニのほか19世紀には名前を入れている作者がごく少数だが存在するが、人物はともかく風景描写まで含むとノトよりは落ちると感じる)それからしばし空いた形でカルロ・パルラーティと来るのは、広く一定の知識を身に着けたカメオ愛好家の誰に聞いても異論がないことと思います。
写実性を残しつつ女性的な気品を極め魂を込めたジョヴァンニ・ノト、独自のデフォルメを通じてより根源的な生命をテーマとし魂を込めたカルロ・パルラーティに対して、サウリーニ親子の作品はただただ写実性を極めたものであり、まさに生者の魂そのものを感じさせるような表現はジョヴァンニ・ノトともカルロ・パルラーティとも異なる古今無双のものでありましょう。
さて、本作はそんなサウリーニ作の中でも非常に珍しい正面顔のカメオです。
先述の通りサウリーニ親子の作品の多くは横顔のもので、稀に市場に出るものは一般顧客向けに制作された当代の著名人の像や紳士像が多く、大英帝国王室へ献上されたような神話の神々をモチーフとしたものよりもシンプルな作品が多いところ、本作は非常に手の込んだ正面顔のもので、海外においても極めて珍しい作品のひとつです。
市場における知見にとどまらず、私が所持しているサウリーニ工房の専門書(項数238p)においても、メデューサやベアトリーチェ・チェンチ、そのほか女神像等で正面顔のカメオがごく少数紹介されているものの、当世の人物のこのような作例は見られないあたり、貴重なサウリーニ家のカメオの中でもとりわけ希少性の高い作品であることが推察されます。
また、現存品の作品はサインにファーストネームのイニシャルが残るものが多いのですが、本作は”Saulini”とのみ切られ、制作当時ルイジ・サウリーニとの区別の必要が無かったとみられることから、ルイジがカメオ作者となる前の19世紀初頭の頃のものと思われ、後々工房の傾向が固まるより前の工房初期の作品であることが、本作が他に類例が見られないものとなった要因と思われます。
彫りのすばらしさについては、写真をご覧になっていただければ語るまでもないでしょう。
実に今から200年前のカメオであり、この200年において最高クラスのカメオでもあるのが本作です。
貝はカフェオレ色の地にくっきりとした白色のサードニクス。
コルネリアンの作品が多いサウリーニとしては珍しいサードニクスのカメオです。
サインは表面背景部に流麗な書体で書かれている、サウリーニ作に典型的なもの。
状態は時代を考えれば非常に良い部類。
鼻にごく小さく欠けがみられるものの、ヘアラインは背景部にうっすらとしたものが数筋見られる程度で、多くの現存品にみられるようなクラックは無く、また表面の摩耗もほぼ感じられないレベルで、制作当時の造形をよく残しております。
また、通常当ギャラリーにて取り扱うカメオは綺麗に洗浄してのご紹介となりますが、200年間人の手を渡ってきた本作の色合いは非常に美しく、買い付け時のままで未洗浄の状態です。
発送の際もこのまま発送する予定でおりますが、洗浄を希望される場合は当ギャラリーにおいて洗浄しての発送も承りますので、発送前にその旨をお知らせくださいませ。
横:約29mm
作者:トマーゾ・サウリーニ
QR:ミュージアムクオリティ
ついに当ギャラリーにも入荷しました、19世紀最高のシェルカメオの巨匠トマゾ・サウリーニ作のカメオです。
アンティークシェルカメオのコレクターにはあまりにも有名なサウリーニ親子。
トマゾ・サウリーニは親子の父の方にあたります。
ただでさえレベルの高い19世紀中のカメオ彫刻家の中でこの親子は最も高い評価を得ており、当時の絶頂期の大英帝国王室へカメオを多く献品した記録が残っており、いまも大英博物館にて展示された作品を見ることができます。
父のトマゾは1793-1864、子のルイジは1819-1883の人生であり、サウリーニ親子と似た経歴を持つ巨匠ジョヴァンニ・ノト(1902-1985)より100年古いだけあって、その現存品も貴重なノト作のハイクオリティピース以上に数が少なく、また残っているものも当時の貴族・富豪たちの実用に供されたと思われ、表面の摩耗や亀裂の目立つものが大半で、状態のいいものは滅多に見つかりません。
無論現在においてもその評価は極めて高く、状態のいいものは非常な高値で取引され、またこの200年のうち名前の知られているシェルカメオ作者で芸術性・ブランド力・技術力でランクをつけるならば、上位にサウリーニ親子、ジョヴァンニ・ノト、(サウリーニのほか19世紀には名前を入れている作者がごく少数だが存在するが、人物はともかく風景描写まで含むとノトよりは落ちると感じる)それからしばし空いた形でカルロ・パルラーティと来るのは、広く一定の知識を身に着けたカメオ愛好家の誰に聞いても異論がないことと思います。
写実性を残しつつ女性的な気品を極め魂を込めたジョヴァンニ・ノト、独自のデフォルメを通じてより根源的な生命をテーマとし魂を込めたカルロ・パルラーティに対して、サウリーニ親子の作品はただただ写実性を極めたものであり、まさに生者の魂そのものを感じさせるような表現はジョヴァンニ・ノトともカルロ・パルラーティとも異なる古今無双のものでありましょう。
さて、本作はそんなサウリーニ作の中でも非常に珍しい正面顔のカメオです。
先述の通りサウリーニ親子の作品の多くは横顔のもので、稀に市場に出るものは一般顧客向けに制作された当代の著名人の像や紳士像が多く、大英帝国王室へ献上されたような神話の神々をモチーフとしたものよりもシンプルな作品が多いところ、本作は非常に手の込んだ正面顔のもので、海外においても極めて珍しい作品のひとつです。
市場における知見にとどまらず、私が所持しているサウリーニ工房の専門書(項数238p)においても、メデューサやベアトリーチェ・チェンチ、そのほか女神像等で正面顔のカメオがごく少数紹介されているものの、当世の人物のこのような作例は見られないあたり、貴重なサウリーニ家のカメオの中でもとりわけ希少性の高い作品であることが推察されます。
また、現存品の作品はサインにファーストネームのイニシャルが残るものが多いのですが、本作は”Saulini”とのみ切られ、制作当時ルイジ・サウリーニとの区別の必要が無かったとみられることから、ルイジがカメオ作者となる前の19世紀初頭の頃のものと思われ、後々工房の傾向が固まるより前の工房初期の作品であることが、本作が他に類例が見られないものとなった要因と思われます。
彫りのすばらしさについては、写真をご覧になっていただければ語るまでもないでしょう。
実に今から200年前のカメオであり、この200年において最高クラスのカメオでもあるのが本作です。
貝はカフェオレ色の地にくっきりとした白色のサードニクス。
コルネリアンの作品が多いサウリーニとしては珍しいサードニクスのカメオです。
サインは表面背景部に流麗な書体で書かれている、サウリーニ作に典型的なもの。
状態は時代を考えれば非常に良い部類。
鼻にごく小さく欠けがみられるものの、ヘアラインは背景部にうっすらとしたものが数筋見られる程度で、多くの現存品にみられるようなクラックは無く、また表面の摩耗もほぼ感じられないレベルで、制作当時の造形をよく残しております。
また、通常当ギャラリーにて取り扱うカメオは綺麗に洗浄してのご紹介となりますが、200年間人の手を渡ってきた本作の色合いは非常に美しく、買い付け時のままで未洗浄の状態です。
発送の際もこのまま発送する予定でおりますが、洗浄を希望される場合は当ギャラリーにおいて洗浄しての発送も承りますので、発送前にその旨をお知らせくださいませ。