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フランコ・スカーラ作 最高級大判アートピース ”豊穣”
縦:約72mm
横:約91mm
作者:フランコ・スカーラ
QR:ミュージアムクオリティ
イタリアカメオ界の名匠のひとり、フランコ・スカーラ作の文句なしのミュージアムクオリティカメオの入荷です。
フランコ・スカーラ氏は独特の哀愁を持つ作風で有名な作家ですが、そう言われる一方でこれといった”型”が無いという稀有な作家でもあります。
通常カメオの制作は職人に対し、作家ごとの特徴を汲んだ上で需要に沿ったものを作ってもらうという世界であり、名匠・巨匠と呼ばれる作家には大抵なにかしらの代名詞的な優れた具体的な作風があるものですが、スカーラ氏にはそれがありません。
それゆえ若干”わかりにくい作家”であり、また後述の理由※もありあまり一般受けはしない感じがあります。
しかしながら型や需要にすら捕らわれず、自分の作りたいものを作ってそれでも名を挙げるという経歴はまさに芸術家と言うにふさわしく、また同時代の巨匠・名匠と呼ばれる作者に比べると、同氏の影響を受けた後代の作者は類縁者にとどまらず圧倒的に広く多いことからみても、むしろ玄人受けする非常に高い芸術性と表現力を持っていることは明らかです。
購入する側を見ても、カメオをブランド物やただのジュエリーではなく美術品として捉えるコレクターからは、極めて強い支持を集めております。
※フランコ・スカーラ氏はいわば大器晩成型の作家であり、風景物は90年代中頃より、人物物がよくなるのはもっと後で2000年頃以降。
カルロ・パルラーティ氏やジェンナーロ・ガロファロ氏のように若くしての受賞や教皇庁への献上などの話も聞かないこと、さらに代名詞的な作品が無いこともあってブランド力において評価が落ちる結果となっている。
独特の物哀しさをもった作風は、スカーラ氏自身が第2次大戦後荒れ果てた故国を見て育ったことで培われたものと言われていますが、本作はまさしくそんなスカーラ氏の作風を体現したものとなっております。
大本のモチーフは17世紀のスペインの画家、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ作の絵画『メロンとブドウを食べる少年たち』ですが、少年は青年となり、元の絵には描かれていない背景や奥の二人の女性など大幅な描き足しがみられます。
元の絵画同様人物の服装はひどくぼろぼろで、描き足された多くの収穫物が一見豊かに見えるその状況とは正反対に実は非常に貧しい身の民であることを引き立て、そんな生活の中にあっても明るく豊穣を喜び楽しむ農民の姿をより鮮烈に描きだした名作となっております。
技術的にも細やかな配慮がところどころに見られ、とくに背景の描写はさすがです。
とりわけ屋根の拝が貝の少凸部に配置されているのは見事で、こうすることで手前と奥とで空気遠近感をあたえてなおかつ物理的にせり出しているので立体感が強くなり、メリハリの効いた印象的な描写となっています。
先述のようにそもそも背景部自体が本来の絵画には無いスカーラ氏のオリジナルの部分ですが、それがこうした貝の特徴を踏まえた上で描き加えられたのだと思うと、その読みとそれを実際に高度に表現してみせる技に感服せざるを得ません。
このように本作は画面に込められた物語のあるテーマ、貝の凹凸を完璧に使用した構図、日々のデッサンに培われた画力を下地とした彫りの細かさ、肌や服の質感や背景の家屋の空気遠近感などに見られる巧さ、何よりもただ元を模写するのではなく自身の感性を加えて自分の作品に変えるオリジナリティとカメオ芸術の全てが詰まった逸品といえる作品といえます。
まさに、一流の仕事といえるカメオです。
貝はこの大きさとしては極めて珍しい均一なコーヒー色の地に、淡色の中間層を挟んで綺麗な白色ののった非常に上質なもの。
状態も極めて良好で、これだけ大きければ無傷というのはそうないことですが、それでも薄く短いヘアラインが全面で数筋ある程度です。
鑑賞上問題となる傷はもちろん、そうでない傷を含めても完品同然といえる状態といっていいでしょう。
横:約91mm
作者:フランコ・スカーラ
QR:ミュージアムクオリティ
イタリアカメオ界の名匠のひとり、フランコ・スカーラ作の文句なしのミュージアムクオリティカメオの入荷です。
フランコ・スカーラ氏は独特の哀愁を持つ作風で有名な作家ですが、そう言われる一方でこれといった”型”が無いという稀有な作家でもあります。
通常カメオの制作は職人に対し、作家ごとの特徴を汲んだ上で需要に沿ったものを作ってもらうという世界であり、名匠・巨匠と呼ばれる作家には大抵なにかしらの代名詞的な優れた具体的な作風があるものですが、スカーラ氏にはそれがありません。
それゆえ若干”わかりにくい作家”であり、また後述の理由※もありあまり一般受けはしない感じがあります。
しかしながら型や需要にすら捕らわれず、自分の作りたいものを作ってそれでも名を挙げるという経歴はまさに芸術家と言うにふさわしく、また同時代の巨匠・名匠と呼ばれる作者に比べると、同氏の影響を受けた後代の作者は類縁者にとどまらず圧倒的に広く多いことからみても、むしろ玄人受けする非常に高い芸術性と表現力を持っていることは明らかです。
購入する側を見ても、カメオをブランド物やただのジュエリーではなく美術品として捉えるコレクターからは、極めて強い支持を集めております。
※フランコ・スカーラ氏はいわば大器晩成型の作家であり、風景物は90年代中頃より、人物物がよくなるのはもっと後で2000年頃以降。
カルロ・パルラーティ氏やジェンナーロ・ガロファロ氏のように若くしての受賞や教皇庁への献上などの話も聞かないこと、さらに代名詞的な作品が無いこともあってブランド力において評価が落ちる結果となっている。
独特の物哀しさをもった作風は、スカーラ氏自身が第2次大戦後荒れ果てた故国を見て育ったことで培われたものと言われていますが、本作はまさしくそんなスカーラ氏の作風を体現したものとなっております。
大本のモチーフは17世紀のスペインの画家、バルトロメ・エステバン・ムリーリョ作の絵画『メロンとブドウを食べる少年たち』ですが、少年は青年となり、元の絵には描かれていない背景や奥の二人の女性など大幅な描き足しがみられます。
元の絵画同様人物の服装はひどくぼろぼろで、描き足された多くの収穫物が一見豊かに見えるその状況とは正反対に実は非常に貧しい身の民であることを引き立て、そんな生活の中にあっても明るく豊穣を喜び楽しむ農民の姿をより鮮烈に描きだした名作となっております。
技術的にも細やかな配慮がところどころに見られ、とくに背景の描写はさすがです。
とりわけ屋根の拝が貝の少凸部に配置されているのは見事で、こうすることで手前と奥とで空気遠近感をあたえてなおかつ物理的にせり出しているので立体感が強くなり、メリハリの効いた印象的な描写となっています。
先述のようにそもそも背景部自体が本来の絵画には無いスカーラ氏のオリジナルの部分ですが、それがこうした貝の特徴を踏まえた上で描き加えられたのだと思うと、その読みとそれを実際に高度に表現してみせる技に感服せざるを得ません。
このように本作は画面に込められた物語のあるテーマ、貝の凹凸を完璧に使用した構図、日々のデッサンに培われた画力を下地とした彫りの細かさ、肌や服の質感や背景の家屋の空気遠近感などに見られる巧さ、何よりもただ元を模写するのではなく自身の感性を加えて自分の作品に変えるオリジナリティとカメオ芸術の全てが詰まった逸品といえる作品といえます。
まさに、一流の仕事といえるカメオです。
貝はこの大きさとしては極めて珍しい均一なコーヒー色の地に、淡色の中間層を挟んで綺麗な白色ののった非常に上質なもの。
状態も極めて良好で、これだけ大きければ無傷というのはそうないことですが、それでも薄く短いヘアラインが全面で数筋ある程度です。
鑑賞上問題となる傷はもちろん、そうでない傷を含めても完品同然といえる状態といっていいでしょう。