Item
アンティーク(推定19世紀中期) ”アモールとプシュケー”
縦:約41mm
横:約50mm
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
古来人気のモチーフ、プシュケーとアモールを描いたカメオの入荷です。
本当はバレンタインデー頃に展示しようと思っていましたが、2月は忙しくて3月になってしまいました…。
プシュケーとアモール。
神話において愛を代表するモチーフであり、それそのものも古来人々に愛されてきました。
アモールの方は現代でもラテン語系のイタリア語やフランス語などにおいて愛を意味する単語の語源となっており、その歴史の長さを思わせます。
絵画や彫刻のモチーフとしてももちろん人気が高く、特によく知られるのはウィリアム・アドルフ・ブグローによる作品で、それぞれのシンボルとなる蝶の羽と鳥の羽を背にした二人の姿は目にしたことのある人も多いことでしょう。
今回の作品も同様にむつみあう二人を描いたもので、19世紀の作品のなかでもとりわけ品質の高いカメオです。
当時のプロフィール以外のカメオというのは、現代のように遠景の風景までが描かれた絵画的な構図のものは少なく、本作のように地面だけが高彫りで描かれ、その上に人物が乗るという、舞台と役者のような構図となるものと、人影程の小さな人物に家、木、そして道や川が描かれる風景物に大別されます。
共に現在はほとんど見ることがなくなった構図で、舞台のような構図は新作で見ることがあれば概ねニーノ・アメンドーラ氏の作品ですね。
さて、そんな古典的な構図で描かれた本作ですが、先述のとおりその出来は目を見張るほどのもので、古代の神殿のレリーフを切り取ってミニチュアにしたかのような仕上がりです。
二人の体はそれぞれよく厚みをもって彫りだされており、ディテールも写実的かつ繊細。
特に印象的な二人の羽はグラデーションをつけつつ、その羽毛や翅の模様までも彫刻で細かく表現されております。
構図のバランス、彫刻の技術、そして状態の良さ、どれをとっても文句なしにミュージアムクオリティにふさわしい逸品です。
貝は典型的なコルネリアン、殻口付近の色の濃い橙から淡黄色のグラデーションの美しい母材を使用しております。
状態は極めて良好で、色の濃い部分に入るコルネリアンに特有のヘアライン数筋をのぞき一切の傷みがなく、表面の摩耗などももちろんない、150年の時を経てなお作られた当時と変わらない美しさを保っております。
横:約50mm
作者:-(アンティーク)
QR:ミュージアムクオリティ
古来人気のモチーフ、プシュケーとアモールを描いたカメオの入荷です。
本当はバレンタインデー頃に展示しようと思っていましたが、2月は忙しくて3月になってしまいました…。
プシュケーとアモール。
神話において愛を代表するモチーフであり、それそのものも古来人々に愛されてきました。
アモールの方は現代でもラテン語系のイタリア語やフランス語などにおいて愛を意味する単語の語源となっており、その歴史の長さを思わせます。
絵画や彫刻のモチーフとしてももちろん人気が高く、特によく知られるのはウィリアム・アドルフ・ブグローによる作品で、それぞれのシンボルとなる蝶の羽と鳥の羽を背にした二人の姿は目にしたことのある人も多いことでしょう。
今回の作品も同様にむつみあう二人を描いたもので、19世紀の作品のなかでもとりわけ品質の高いカメオです。
当時のプロフィール以外のカメオというのは、現代のように遠景の風景までが描かれた絵画的な構図のものは少なく、本作のように地面だけが高彫りで描かれ、その上に人物が乗るという、舞台と役者のような構図となるものと、人影程の小さな人物に家、木、そして道や川が描かれる風景物に大別されます。
共に現在はほとんど見ることがなくなった構図で、舞台のような構図は新作で見ることがあれば概ねニーノ・アメンドーラ氏の作品ですね。
さて、そんな古典的な構図で描かれた本作ですが、先述のとおりその出来は目を見張るほどのもので、古代の神殿のレリーフを切り取ってミニチュアにしたかのような仕上がりです。
二人の体はそれぞれよく厚みをもって彫りだされており、ディテールも写実的かつ繊細。
特に印象的な二人の羽はグラデーションをつけつつ、その羽毛や翅の模様までも彫刻で細かく表現されております。
構図のバランス、彫刻の技術、そして状態の良さ、どれをとっても文句なしにミュージアムクオリティにふさわしい逸品です。
貝は典型的なコルネリアン、殻口付近の色の濃い橙から淡黄色のグラデーションの美しい母材を使用しております。
状態は極めて良好で、色の濃い部分に入るコルネリアンに特有のヘアライン数筋をのぞき一切の傷みがなく、表面の摩耗などももちろんない、150年の時を経てなお作られた当時と変わらない美しさを保っております。